トピックス一覧 DATE:2020.09.14 |
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■消費税率引き上げ時の経過措置 税率3%で導入された消費税率は、5%、8%と引き上げられ、令和1年10月1日から標準税率が10%とされています。 過去の増税時にも税率引き上げに伴う経過措置が取られてきました。たとえば、施行日前後の取引にかかる税率の適用関係等、旅客運賃等・電気料金等・工事の請負等・資産の貸付・通信販売等の税率等に関する経過措置などです。 今般の税率引き上げでは軽減税率も導入されていて、いつもの税率引き上げ時の措置に加えた取り扱いもなされています。 ■簡易課税制度の届出の原則と特例 簡易課税を選択する場合には、「適用を受けようとする課税期間の前日」までに届出書を提出しなければならないと規定されています。そのため、3月決算法人であれば、次の課税期間が始まる4月1日より前の3月31日までに提出しなければなりません。 しかしながら、軽減税率導入に関する特例として、「令和元年10月1日から令和2年9月30日までの日の属する課税期間においては、提出期限の特例があります。特例として、課税仕入れ等の税率区分が困難な事情がある場合には、届出の期限が「簡易課税制度の適用を受けようとする課税期間の末日」までとされています。すなわち、“困難な事情がある場合”には、課税期間が始まっていても選択届により適用が可能となります。先ほどの3月決算の例でいうと令和2年4月1日から9月30日までが、令和2年4月1日から令和3年3月31日までの課税期間に入っていますから、令和3年3月31日までに届出をすれば、令和2年4月1日の課税期間から簡易課税が適用されることとなります。 (注)課税期間特例を使っていない前提。 ■前提は、“困難な事情がある”かどうか? 消費税の軽減税率制度に関する取扱通達の制定について(法令解釈通達)の21(困難な事情があるときの意義)において、「その困難の度合いを問わず、同項に規定する経過措置を適用することができる」としています。困難の度合いを問わないのですから、困難であるかどうかは事業者の主観によることで差し支えなく、事業者が困難と感じれば、適用は可能ということになるものと考えられます。
■浸水リスクを認識し、被害を想定する 最近の豪雨災害による被災状況は目を覆うばかりです。令和2年7月豪雨は、特定非常災害の指定が閣議決定されました。 事業継続のため河川の氾濫などによる浸水被害リスクを認識し、これまでの常識にとらわれることなく備えることが求められています。自治体のHPでは、地域ごとにハザードマップを公開しており、洪水や高潮による自社の浸水リスクを視覚的に把握し、被害を想定することができます。過去の被災記録、被災土地の形状も有用な情報です。 ■事前に講じるリスク対策 浸水が発生する前の現実的な対策として、次のものが検討できます。 1 保険の付保(水災保証) 2 電源装置、サーバーの階上への移設 3 データのクラウド保存 4 防災・復旧のための設備投資(発電設備、止水板、排水ポンプなど)など ■防災のための税制・助成金を活用する 自然災害に備える中小企業者を支援する公的な措置には、次のものがあります。 ◎1.中小企業防災・減災投資促進税制(中小企業庁) 中小企業経営強化法に基づく「事業継続力強化計画の認定を受けて防災・減災 設備を取得した中小企業者には、事業供用年度にて取得価額の20%の特別償却 ができる措置が設けられています。 機械・装置(100万円以上)、器具・備品(30万円以上)、建物附属設備(60万 円以上)。自家発電設備や排水ポンプ、止水板、防水シャッターなどの取得が 対象です。 ◎2.BCP実践促進助成金(東京都中小企業振興公社) 東京都が、自然災害や感染症による不測の事態に備えてBCP(事業継続計画) を実践する都内に本社を置く中小企業者に対し助成金を交付する制度です。 BCPの実践に必要な設備・物品の購入・設置費用として上限1,500万円の 助成金が交付されます。 ■BCPの実効性を高めるために 災害発生直前まで、気象庁の発表するリアルタイム情報やタイムラインを活用して被害を最小にとどめる措置を講じます。災害発生前の備えにより、社員の安全確保、設備・データの保全につなげましょう。 |
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