トピックス一覧 DATE:2020.09.21 |
|||||
■失業保険の給付制限緩和 失業保険とは、雇用保険制度に基づいた求職者給付の基本手当のことで、会社を退職し転職活動を行う際に受給することができます。この雇用保険の基本手当は、失業手当や失業給付などと呼ばれることもあります。 これまで、会社を自己都合で退職した場合、基本手当の受給手続日から原則として7日経過した日の翌日から3か月間は、基本手当を受給できない期間がありました。これを「給付制限」といいます。 この度、令和2年10月1日以降に離職した労働者は5年間のうち2回まで、給付制限が2か月に短縮されることになりました。 給付制限期間が短すぎると、安易な離職を生み出すという懸念もありますが、本来失業給付は、「失業」または「離職した労働者に対し、生活の保障と再就職の援助を行うための制度なので、要件緩和により、受給者が早期に生活の安定を図ることができると期待されています。 ■新型コロナによる退職の特例 私たちの生活に多大な影響を及ぼしている新型コロナウイルスですが、この影響により自己都合離職をした場合は、「特定理由離職者」とされ、正当な理由のある自己都合離職として給付制限を適用しないこととなっています。 令和2年2月25日以降に、以下の理由で離職をした労働者が対象となります。 @同居家族の感染等で看護が必要となった A本人や同居家族に基礎疾患がある、妊娠中または高齢で、感染拡大防止や重症化 防止のため B保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校等に通う子の看護が必要となった ■コロナ退職の失業給付日数延長特例 新型コロナウイルスの影響で離職した労働者のうち、令和2年6月12日以後に基本手当の所定給付日数を受け終わる者を対象に、最大で60日間、雇用保険の基本手当給付日数が延長されます。 離職日が緊急事態宣言発令以前と、緊急事態宣言発令期間中、緊急事態宣言全国解除後で対象者の範囲が異なります。緊急事態宣言発令後の離職は、特定受給資格者と特定理由離職者が本件の対象となります。 働き方改革や新型コロナの影響で、失業給付制度は少しずつ変化しています。対象者となる方に伝えてあげたいですね。
■年々高くなる法人銀行口座開設のハードル 警察庁の発表では、令和元年の特殊詐欺の認知件数は16,851件(-993件、-5.6%)、被害額は315.8億円(-67.0億円、-17.5%)で、前年に引き続き認知件数、被害額ともに減少しているが、依然として高い水準の被害が発生していることから、深刻な情勢です。こうした特殊詐欺に実体のない法人銀行口座が使われることが多いことから、銀行での法人口座開設のハードル(=準備すべき書類、事業実態の実在性など)は年々高くなっています。 ■起業時に法人口座開設で躓かないために 口座開設ができなければ、顧客や取引先から「銀行から認められていない存在」との烙印が押され、事業は立ち行きません。 法人の設立(=会社を作ること)も暴力団対策法等で株式会社の定款認証が厳しくなってきていますが、さらに会社と事業の実在性を示さなければならないのが口座開設時です。銀行により審査基準は違いますが、次のような準備をしておくことで法人口座開設を乗り切ることができます。 (1)資本金はある程度必要 資本金は1円から会社設立ができますが少な過ぎると事業実態がないとみなされます。 事業遂行可能な金額が必要です。 (2)事業実態のある場所が必要 繁華街の住所表示目的でバーチャルオフィスを本店にすると、実在性なしとされる 可能性が高くなります。銀行から訪問調査されても対応できる場所が求められます。 (3)事業実態説明の事業計画書を準備 事業実態の実在性を示すために、締結済みの顧客との売買契約書(=複数が望ま しい)などを示すことができればベターです。 まだそうした証拠を示すことができない場合には、少なくとも、銀行に実現可能性を 納得してもらえるだけの事業計画書を準備しておきましょう。 (注)他に登記簿謄本原本等が各種必要。 ■法人の所有者が外国法人の場合 法人の株主が非居住者(=外国法人・国外在住者)の場合には、提出書類が増えます。親会社の上にさらに親会社がある場合などには、実質的支配者の本人確認資料(=パスポートの写し、公的機関発行の会社登記・居住者証明書など)も必要となります。 なお、2016年10月に政府が対日直接投資推進目的に金融庁経由で3メガバンクに態勢整備を要請し窓口はできていますが、審査体制(必要書類)に優遇はありません。 |
|||||
トピックス一覧 | |||||
PREV: 2020.09.14 ・軽減税率制度に関する簡易課税制度の届出の特例・浸水被害への備え−中小企業の防災対策と税制・助成金− NEXT: 2020.09.28 ・新型コロナウイルス感染症〜特別利子補給事業について〜 |