トピックス一覧 DATE:2019.09.24 |
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■査察と調査は違います 通常の税務調査は、所得税や法人税などの申告が正しく行われているか否かを確認するための任意調査です。マルサが脱税犯検挙のために裁判所から許可状を取って行う強制調査(査察)とは異なります。 ■任意調査とは 任意調査は、調査について納税者の事前の承諾が必要であり、調査日程も納税者の都合を尊重し、調査は納税者の協力を得て行われます。(しかし現金商売の場合は現況の把握のため抜き打ち調査もあります。また国税局の資料調査課の調査も任意ではありますが突然来ます) ■任意調査は拒否できるか? 任意調査だからといって納税者の勝手な理由で税務調査を断わることはできません。 納税者は法律上、税務調査を受ける義務を負い、正当な理由もなく調査に応じないときは一定の罰則(1年以下の懲役、または20万円以内の罰金)が適用されます。これを受忍義務と言います。 ■税務調査の制約 任意調査ですから、税務調査を行う場合には、時間、場所、範囲、程度について、調査を受ける側の営業活動をむやみに止めさせたり、私生活の平穏を乱したりするおそれがあってはならないとの制約もあります。 ですから、取引先の確認を必要とする事態になった時は、商売に影響する可能性がありますので、納税者の了解なしには行えません。 ■税務調査を拒否できる場合 税務職員が早朝や夜遅くまで及ぶ調査を求めた場合や、プライベートな場所に立ち入りを求めた場合は拒否できます。 また納税者の同意なしで金庫や書庫、引き出しなどを開き現金や預金通帳、個人的な書簡などの検査を行う行為に対しては抗議して止めさせることができます。 なかには威圧的な言動や裁量権を超えた行為をする者もおりますが、違法ですから明確に拒絶の意思表示をすることが大切です。それでも止めない場合は、あまり知られておりませんが、請願法に則り請願書を提出し、懲戒処分を要求できます。
医業または歯科医業で、個人経営のクリニックとして開業し、その後医療法人化を検討される方は多いと思います。今回は、会計と税務の視点から見た医療法人化のメリット・デメリット、個人経営と医療法人の違い、法人化後に気をつけるポイントについてまとめました。 ■医療法人化のメリット・デメリット 個人経営から医療法人にする最大のメリットは、節税です。個人経営では専従者給与を経費にすることはできても、院長ご自身の給与を経費にすることはできません。しかし医療法人にすることで、院長は理事長として医療法人から給与をもらい、その給与は医療法人の経費にすることができます。またその給与は、給与所得控除ができます。結果、法人税と所得税を合わせたとしても、個人経営の時より税金を安くすることができます。 また院長個人の生命保険契約は、支払われている保険料のうち生命保険料控除により節税できている部分は、ごくわずかであるケースが多くみられます。法人にすることで、契約内容により一部を損金(税法上の費用)に入れることができます。結果、法人税を節税しながら、将来、解約返戻金を退職金の資金に充てることができます。他にもメリットは、分院展開の可能性、赤字の繰越が3年から10年に延長、原則2事業年度は消費税免税などがあります。 デメリットとしては、医療法人化に伴う手続き費用、社会保険の強制加入による費用負担増加、議事録や事業報告書の作成提出に伴う事務手続きの費用負担などがあります。 ■法人化後に気をつけるポイント まず一番に気をつけなければならないことは、法人の収入は理事長のお金ではない、ということです。個人経営の時は、通帳にあるお金を自由に引き出しても問題はありませんでした。しかし、院長個人と法人は別人格になるので、法人の通帳から勝手にお金を引き出すことはできません。仮に給与とは別に通帳からお金を下ろした場合には、役員貸付金となり利息が発生しますが、医療法人の場合は役員貸付金自体が禁止されています。この他にも注意点がありますので、身近にいる税理士にご相談の上、ご検討されることをお勧めします。 |
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