トピックス一覧 DATE:2020.10.19 |
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法務局が自筆証書遺言書を保管してくれるサービスが令和2年7月10日から開始しました。 ■公正証書遺言と自筆証書遺言 公正証書遺言は、遺言者が公証人に内容を伝えて、その内容をもとに公証人が公正証書として遺言書を作成します。2名以上の証人が立ち会う必要もあります。費用や手間がかかりますが、公証人が内容の法的有効性をチェックしてくれたり、原本を公証役場で厳重に保管してもらえたりするメリットがあります。 自筆証書遺言は、遺言者本人が遺言書を自書することにより作成します。一人で手軽に作成することができ、費用もかかりません。ただし、相続開始後に家庭裁判所の検認が必要となります。 また、遺言者本人の死亡後、遺言書の紛失等により相続人等に発見されなかったり、一部の相続人等により隠匿や改ざんが行われたりするリスクもあります。 ■自筆証書遺言書保管制度のメリット この制度を利用して、自筆証書遺言書を法務局に保管してもらうことにより、遺言書の紛失・隠匿・改ざんといったリスクを回避することができ、あわせて家庭裁判所の検認も不要となります。 遺言者は、法務局に遺言書を預けた後も、預けた遺言書を閲覧したり、保管の申請を撤回したりすることができます。 また、相続人等は相続が開始した後であれば、遺言書が預けられているかを確認したり、遺言書を閲覧したり、遺言書の内容の証明書を取得したりすることができます。 ■注意点 法務局に保管してもらう際、法務局の職員の方が自筆証書遺言の方式について外形的な確認はしてくれますが、遺言の内容について相談に応じたり、遺言内容の法的有効性について保証してくれたりするものではありません。また、この制度の手続はそれぞれ各種確認や手続の処理に時間を要するため、全ての手続について法務局に予約が必要となっています。 この制度を利用する際には、司法書士さんや弁護士さんにも相談されることをお勧めします。
■厚生年金の標準報酬月額上限の改定 令和2年9月から厚生年金の標準報酬月額の上限が、平成12年10月以来、20年ぶりに引き上げられます。なお、健康保険の標準報酬月額の上限に変更はありません。 <現 行>(令和2年8月まで) 等級 標準報酬月額 報酬月額 第31級 620,000円 605,000円以上 <改定後>(令和2年9月以降) 等級 標準報酬月額 報酬月額 第31級 620,000円 605,000円〜635,000円未満 第32級 650,000円 635,000円以上 ■厚生年金保険料のへ影響 報酬月額635,000円以上の被保険者に対する厚生年金保険料が増額となります。 厚生年金の保険料率は183/1,000ですので、第31級から第32級となる被保険者の保険料は一人当たり月額113,460円から118,950円へ5,490円増額となります。 厚生年金保険料は事業主と被保険者の折半負担のため、事業主と被保険者の負担額の増加は、各々月額2,745円となります。 したがって、事業主側も対象となる被保険者一人当たり年間33,000円弱の厚生年金保険料の負担増となります。 対象者が100人いる事業主の場合、社会保険料負担額が年間300万円以上増えることになりますので、影響は比較的大きなものとなりそうです。 ■改定による標準報酬月額変更の届出は不要 今回の標準報酬月額の上限改定によって、既に報酬月額が635,000円以上に達している被保険者については、令和2年9月下旬以降、日本年金機構から事業主に「標準報酬改定通知書」が送付されますので、事業主からの届出は不要です。 しかし、改定後の給与計算の際に、厚生年金保険料の控除額の変更が漏れないよう、注意しましょう。 |
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