トピックス一覧 DATE:2019.03.04 |
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中小企業基盤整備機構が運営する「小規模企業共済制度」と「中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)」の2つの共済制度は、節税や将来への備えとして活用している企業も多いと思います。 まだ活用していないという企業様向けにメリットと留意点を整理してみましょう。 ■退職金を積み立てる小規模企業共済 小規模企業共済は、積立てによる退職金制度で、卸売業・小売業、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む法人は従業員数5人以下、その他の業種は従業員数20人以下などといった加入要件がありますが、小規模法人の役員や個人事業主を対象としています。 掛金は月額1千円〜7万円まで5百円単位で自由に設定でき、加入後も増額・減額が可能です。 メリットとして、支払った掛金の全額をその年の課税所得から所得控除できることがあげられます。同様に、1年以内に前納した掛金も所得控除することができます。また、契約者貸付制度があり、掛金の範囲内で事業資金を低金利で借りることが可能です。 掛金納付月数が240か月未満で任意解約した場合は元本割れすること、共済金受取時には所得として課税の対象となることには留意が必要です。 ■取引先の倒産に備える倒産防止共済 中小企業倒産防止共済制度は、取引先が倒産した際に連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。 資本金などの上限がありますが、1年以上事業を継続している中小企業者であることが加入要件となっています。 積立総額800万円を上限とし、掛金は月額5千円から20万円まで5千円単位で自由に設定でき、途中で増額・減額が可能です。 取引先が倒産した場合、無担保・無保証人ですぐに借入れができる、支払った掛金の全額を損金もしくは必要経費に計上できるというメリットがあります。一方で、納付月数が40か月未満で解約すると元本割れとなること、共済金受取時には益金もしくは事業所得として課税の対象となることに留意が必要です。 制度の内容をよく理解して上手に活用していきましょう。
■扶養控除等の是正(扶養是正)とは 所得者の方が確定申告や年末調整で配偶者控除や扶養控除の適用を受けていたけれども、実は所得要件などが誤っており、正しくは控除が受けられなかったということがあります。そのような場合は、気付いた段階でただちに年末調整の再計算や修正申告を行って納税する必要があります。 しかし、是正せずそのままにしておくと、税務署から「扶養控除等の控除誤りの是正について」という通知が送られてきたり、電話や臨場による税務調査で是正を求められたりします。これを一般に「扶養是正」と呼んでいます。 ■扶養是正にはどのようなものがあるか @所得超過 最も誤りが多いのが、この所得超過です。配偶者や扶養親族に一定の所得金額が あるにもからわらず、所得者本人がその金額を把握していなかったことによる ものです。 A重複控除 他の所得者と重複して控除を受けていたというものです。例えば、共働きの夫婦 がどちらも同じ子供を扶養親族として控除していたようなケースです。 B年齢相違 特定扶養親族や老人扶養親族は、控除を受ける年の12月31日時点の年齢が それぞれ、19歳以上23歳未満、70歳以上という条件がありますが、そのような 年齢の条件に合致しない人を控除の対象としていたというものです。 Cその他 扶養控除の対象となる親族は、6親等内の血族及び3親等内の姻族ですが、それ 以外の親族を扶養の対象としていた場合や、白色事業専従者を扶養の対象と したケースなどがあります。また、夫と離縁した人が寡婦控除を受けるには、 扶養親族や生計を一にする子がいることが要件(死別の場合や寡夫の場合は 条件が違いますのでご留意ください)ですが、その要件に当てはまらないという ケースもあります。 ■是正のしかた 年末調整を行っている方は、源泉徴収義務者である勤務先で年末調整の再計算を行ってもらい、追加で納付する税金を源泉徴収義務者経由で納税します。確定申告を行っている方は、所轄の税務署に修正申告書の提出と納税を行います。 |
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