トピックス一覧 DATE:2017.01.10 |
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法人課税における主な改正項目は、次のとおりです。 ■試験研究費の税額控除の拡充 改正では、税額控除額は、前年からの試験研究費の増額が大きいほど税額控除率も大きくなっています。 中小企業の場合は、税額控除率が費用の12%分とされていましたが、改正では12%〜 17%分の控除率となっています。 一方、大企業は、8%〜10%分だった税額控除率が6%〜14%分に改正されています。また、試験研究費の範囲には、「サービスの開発」も対象になっています。 ■所得拡大促進税制の拡充 企業規模にかかわらず、給与支給総額が前年を上回るなどの所定の要件を満たすことで、賃上げ総額の10%分を減税(法人税から控除)してきましたが、より一層の賃上げを促す観点から、改正では、中小企業の場合、前年に比べて2%以上の賃上げを実施した場合には22%分の税額控除、一方、大企業でも、前年対比2%以上の賃上げを実施した場合には10%から12%分と拡充しています。ただ、賃上げが2%に満たない大企業は、現行10%分の税額控除も受けられません。 ■組織再編税制の見直し 現行税制では、スピンオフ(特定の事業や子会社を企業グループから切り出して独立した会社とする)に際して、@法人サイドにおいては「譲渡損益(移転資産又は子会社株式)課税」、A個人サイドでは「配当(みなし配当含む)課税」が発生することから、新しい産業への機動的な事業再編ができませんでした。 そこで、今回の改正では、分割、現物分配にあたって、分割法人又は現物分配法人の株主の持株数に応じて、それぞれ、分割承継法人の株式又は子会社のみが交付される場合、その他所定の要件を満たせば課税関係が生じないようにしました。 以上の改正は、平成29年4月1日開始事業年度からの適用です。 ●中小企業の軽減税率に関して 年800万円以下の所得金額の税率(本則19%、租特15%)は2年間延長です。 なお、中小企業であっても、平均所得金額(3年間)が年15億円を超える事業年度の適用は停止するとしています。 この改正は、平成31年4月1日以後に開始する事業年度からの適用です。
■新たに64万人が年金受給 年金の受給資格を得るのに必要な保険料の納付期間を25年から10年に短縮する改正年金機能強化法が成立しました。老齢基礎年金の納付期間は現在の25年から10年に短縮されました。平成29年8月から施行され10月に第1回目が支払われます。 日本では「無年金者」(無年金見込者含む)は118万人と推計されています。65歳以上の無年金者の約6割は保険料納付期間が10年未満です。平成29年8月以降は25年の年金受給資格期間を充たさない無年金の高齢者も10年以上の加入期間(免除・猶予・カラ期間を含む)があれば保険料を納めた期間に応じた年金が支給されることになります。 ■外国の年金加入期間 外国での年金受給資格期間はアメリカの約10年、イギリスでは一定以上の収入の人が加入する事となっており加入期間は特になく、ドイツの加入期間は5年、フランスやスウェーデンは加入期間の決まりはありません。今後少子高齢化の日本では労働力人口が減少し、保険料収入も縮小すると考えられます。そして他国からの外国人の受け入れ人数が増えて行くものと考えられます。他国の方が日本で働き、本国に戻って65歳から日本から年金が受けられたら魅力的でしょう。 ■いくら受給できるか 新たに受給できるようになるのは保険料を払った期間が10年以上25年未満の人で、過去にさかのぼっては受給できません。 年金額は保険料の納付期間に応じて支払われます。国民年金の場合は加入期間が10年で月約1万6千円、20年で約3万2千円、40年では満額の6万5千円となっており、10年で支給された額では生活費の補てん程度にしかなりません。また、10年で受給ができるなら満額まで納めなくともよいと考える人も出てきそうです。 手続は加入が10年以上あった方は年金の請求書が送られてきますので、記入押印して年金事務所に提出します。しかし保険料免除やカラ期間を含めて10年以上になる方には請求書は送られてこないので自身でカラ期間の確認を行い、請求する事が必要です。 |
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