トピックス一覧 DATE:2020.07.27 |
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■会計検査院が実態報告 会計検査院の検査報告によると、新居を購入し住宅ローン控除を受けている人で、旧居に居住しなくなってから3年目に売却して居住用資産譲渡の3000万円特別控除の特例の適用を受けていた人が平成28年、29年の2年間で37人いたとしています。措置法特典の重複適用の指摘です。そして、この37人の重複減税額の合計が5011万円であった、としています。 ■立法作業の疎漏の指摘か 会計検査院は、法の想定外の事態として、重複適用になってしまっている、と把握しています。これが本当に、元々法の予定していなかった措置法特典の重複適用なのか、そうでないかは不明です。 例えば、居住用財産譲渡の3000万円控除と10%軽減税率は、共に措置法規定ですが、重複適用排除はされてないので、重複適用排除の原理があるわけではありません。 会計検査院の言うようにあるべきでない重複適用なのだとしたら、それは、立法作業における法律の規定が疎漏だったということになります。 ■疎漏の内容は期間のズレ 法律の規定が疎漏だったとした場合のその内容は、居住用財産の譲渡所得からの3000万円特別控除の規定の適用が、居住の用に供さなくなってから3年を経過する日の年末までの間に譲渡した場合に適用されることになっているのに対し、住宅ローン控除の適用の規定は、新居に入居した年、その前年又は前々年、また、翌年又は翌々年中に、旧居につき居住用財産の特例の適用を受けていないこと、となっていて、両者の期間にズレがあることです。 3000万円特別控除の規定は居住終了から足かけ4年、住宅ローン控除の適用の規定は新居に異動してから足かけ3年、と異なっていたことです。 ■今年の税制改正で対応 会計検査院の指摘を受けて、この期間のズレ問題は、今年の税制改正の一項目になり、住宅ローン控除の規定の中にある「翌年又は翌々年中」という文言が「翌年以後3年以内」という文言に改正され、この疎漏だったかもしれない点は消滅しました。 なお、同じ条文に、親の居住用財産を相続した後に空き家譲渡した時の3000万円特別控除がありますが、これは特に制限されていません。
■高校生の採用選考は10月16日から 厚生労働省は、2021年3月卒業予定の高校生の就職活動について、新型コロナの影響を受けて1か月遅らせることを発表しました。 高校生の就職活動は、例年、4月から8月にかけて準備を進めます。採用の早期化を防ぎ教育の充実を図るため、あらかじめ選考日程は統一されており、今年は企業から学校への求人申込みを7月1日、学校から企業への応募書類提出開始は9月5日、企業の選考及び内定開始を9月16日からとしていました。しかし、新型コロナウィルスの影響で休校や分散登校が実施されており、準備期間が短くなってしまうことが懸念されていました。 このため、「生徒の希望・適性にあった就職を実現し、ミスマッチによる早期離職を防止する観点」から、応募書類提出開始を10月5日(沖縄県は9月30日)、選考及び内定開始を10月16日からに変更することを決定したものです。 ■企業側に求められる対応 すでに大卒採用に関する多くの報道があるように、採用面接の選考過程も新型コロナの影響を受け、オンラインへ移行しています。WEBでの会社説明会や面接は、遠方にある企業との接触を容易にするというメリットがある一方で、コミュニケーションの難しさもあり、企業と学生の双方がリアルな雰囲気をつかむことができず、マッチングに不安を感じたまま進むリスクもあります。 そして高卒採用については、一人一社制のルールにより内定後の辞退がほとんどないというメリットがある一方、採用後に判明するミスマッチが多く離職率が高いことが課題でもあります。 まだコロナの影響が続くと言われる中での採用活動において、企業はこれまで以上に、会社や仕事の内容についての情報をわかりやすく伝えることが大切です。職場見学ができない状況の場合は、いかにWEBで伝えるかといった工夫をすること、また実施する場合にも、安心して見学できるよう感染対策を行うことが求められるでしょう。 なお、企業から学校への求人申込みは7月1日で変更ありません。 |
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