トピックス一覧 DATE:2018.08.13 |
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■一般社団法人等を使った相続対策とは 「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行された2008年以降、一般社団法人の設立が容易になりました。 そこで、一般的な方法としては次のような相続対策が急増しました。 1. 一般社団法人を設立する。 2. そこに被相続人所有の不動産や自社株を移動します。 3. 相続人を理事又は理事長とする。 Aの段階で問題となったのは、不動産や自社株を時価で売却した場合被相続人にかなりの譲渡所得が発生したり、高額な貸付金や金銭が手元に残ったりすることでした。 しかし不動産や自社株は所得税の分離課税であり、課税は20%強で済みます。また高額な貸付けは不動産収益や配当での返済や、親族理事への報酬により赤字にして債務免除することも可能でした。 更に非営利法人として認められた場合は、寄附や贈与も課税対象から外れていました。そしてこのようにして一般社団法人に移された財産は、相続財産から完全に除かれておりました。 ■今回の改正では 同族関係者が理事の過半数を占める特定一般社団法人等については、同族理事(理事でなくなった日から5年を経過していない者を含む)が死亡した場合は、その特定一般社団法人等を個人とみなして、同族理事の数で等分した当該特定一般社団法人等の財産を、死亡した理事から遺贈により取得したものとみなし相続税を課税するというものです。更に既にある一般社団法人等についても、特定一般社団法人等に該当すれば、平成33年4月1日以後の理事の死亡については適用するというものです。 対策としては次の事が考えられます 1 .被相続人対象者が理事を辞め5年を超えて長生きすること。 2. 同族理事の数を50%以内とする。と同時に被相続対象者は3年を超えて長生きする こと。 3. @Aができない時は逆に同族理事の数を増やし等分財産を少なくする。 しかし特定一般社団法人等に該当しなければ従来通りですから、これで相続対策がなくなるとは思えません。
■迫られる残業削減・生産性の向上 政府が今国会の最重要法案としていた働き方改革関連法が6月29日に成立、2019年4月から順次施行されます。無駄な残業を減らし、時間ではなく成果を評価する方向に舵を切ることになります。単純な作業は機械やITに任せ、効率化を進め、不必要な残業は減らし、生産性向上を目指すようになるでしょう。というのも残業に上限時間規制が課せられたからです。業務の見直しや人の増員等の対応に迫られるかもしれません。 ■適用される大きな柱は3つ 1.働き方に最も大きな影響を与えるのは日本の労働法制で初めて導入される残業時間 の上限規制です。労働基準法では労働時間は原則1日8時間・週40時間となっています が、労使協定を結べば残業時間を無制限に設定できるのが実態でした。現在目安時間 である「月45時間、年間360時間」が法制化され2〜6か月平均で80時間以内、単月で 100時間未満に抑え月45時間を超してよいのは年6回までです。(2020年4月) 2.脱時間給的働き方は年収1075万円以上の金融のディラーやコンサルタント、アナリスト 等を対象に残業代や休日手当の支給対象外とします。(2019年4月) 3.非正規労働者の処遇を改善する措置では正規と非正規の不合理な待遇差があること を禁じ、「同一労働、同一賃金」の実現を目指します。勤続年数や能力、仕事が同じなら 原則、同じ基本給にする等賃金体系の見直しが必要になるかもしれません。 (2021年4月) ■その他の働き方改革関連法(2019年4月) 1. 勤務間インターバルの努力義務…退社から出社までに一定時間の休息を確保 2. 年次有給休暇の取得義務…年に5日は有給休暇を消化させなければならない 3. 労働時間の把握義務…事業所に働く人の労働時間を客観的に把握する必要 4. フレックスタイム制の拡大…労働時間を1か月から3か月単位で調整可能に 5. 中小企業の割増賃金は残業月60時間超えで割増率を50%以上に(2023年4月) |
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