会社経営のポイントやコツを紹介!「「新しい権利−配偶者終身居住権−」・「タワマンと配偶者終身居住権」」

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DATE:2018.09.10

新しい権利−配偶者終身居住権−



■新しい法定された権利の創設
 
 民法が改正され、配偶者終身居住権が創設されました。被相続人の配偶者が自宅に住み続けることができる権利で、高齢化が進む中、残された配偶者の住居や生活費を確保し易くする、というのが狙いです。
 子が自宅の所有権を相続し、被相続人の配偶者が終身居住権を相続する、というのが最も典型的な予想ケースとされています。
 所有権が第三者に渡っても、そのまま自宅に住み続けることができる、という排他的権利です。


■評価額と権利の性質

 居住権の評価額は平均余命などを基に算出され、不動産の価額は、終身居住権の価額と終身居住権付不動産の価額とに分割されることになる、と法務省法制審議会民法部会で審議されていました。相続税評価額がどうなるかは未定ですが、法制審の審議を承けたものになると思われます。
 終身居住権の譲渡資産性は弱そうですが、登記されることを前提にしているので、債権でありながら、借地権のような物権的性格を強く持ちそうです。


■所得税への影響
 
 相続により承継する終身居住権と終身居住権付不動産のそれぞれが、譲渡の局面に立ち至った場合は、それらの承継取得原価は、借地権と底地の関係のように、各評価額の比で按分されることにならざるを得ません。ただし、それには、借地権の法律政令の規定のような終身居住権に係る新たな規定の創設が必要です。


■終身居住権の一身専属性
 
 終身居住権は一身専属権として死亡と共に消滅するものです。その自然消滅によって、終身居住権付不動産は何の制限もない不動産に生まれ変わります。その時に、終身居住権の消滅益を認識すべきか、終身居住権に対応することになる承継取得原価はどのような扱いになるか、なども必然の検討テーマになります。


■自然消滅借地権が参考になる
 
 自然消滅借地権の場合は、借地権の消滅益を認識せず、借地権の取得価額は自然消滅になります。これに準ずるとすると、終身居住権の消滅益は認識せず、それに対応している取得価額も自然消滅となり、誰にも承継されません。

タワマンと配偶者終身居住権



■タワーマンション節税退治の実効性
 
 タワーマンション節税退治として法改正されたのは、固定資産税評価額の階層間調整だけでした。
 これでは、野放し状態ではないか、国税当局には、タワマン節税退治をする気がないのだろうか、安倍内閣の景気対策にそぐわないということで政治的圧力があるとか、相変わらずの忖度が機能しているのかとか、穿った見方も出てくるところです。


■総則6項の発動を予定している?
 
 国税には、財産評価通達の総則6項という切り札があり、これを発動して、著しく不当な評価になるとして、タワマンについて、評価通達適用を排除できるのだから、タワマンの相続税対策利用はリスクが大きい、と宣伝もされています。
 しかし、総則6項は国税庁長官の指示を受けて評価するので、実際に、いちいち長官指示を仰ぐような作業は滅多にはできません。総則6項が発動されるのは稀なのです。相続直前取得又は相続時精算課税贈与のタワマンをその後短期間で譲渡しているようなケースに限られています。


■総則6項の代わりになるもの
 
 また、切り札の一つに、負担付贈与通達があります。これには、「負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得したものの価額は、当該取得時における通常の取引価額に相当する金額によって評価する」と書かれています。
 これに拠って、親族間の相続税評価額での譲渡に対し、通常の取引価額との差額に贈与税を課し、譲渡損があれば、これを無いものとみなす、との対応をしています。


■配偶者終身居住権改正法の施行
 
 配偶者居住権に関する改正民法の施行は公布後2年以内となっています。ただし、この権利は、居住権という債権についての特別な規定として創設されたものです。
債権は、契約自由の原則により、当事者間で自由にその内容を定めることができます。従って、改正法施行前でも、契約により、配偶者終身居住権のようなものを実質的に実現することは可能です。
 終身居住権が第三者に対抗できるような法律構成になるようにして登記すれば、通常の取引価額は自ずと低下し、上記の負担付贈与通達適用などへの対抗力を持つことになります。

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