トピックス一覧 DATE:2017.08.28 |
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■10年加入でも受給ができる 年金の加入期間が足りず受給資格が取れなかった方でも、8月1日からは老齢年金受給資格期間25年の短縮で10年あれば受給可能になりました。新たに受給資格を取得した方もいる事でしょう。年金の受給資格期間とは保険料を納めた期間ばかりでなく、保険料を納めていなくとも資格期間となる合算対象期間も含まれます。 ■合算対象期間(カラ期間) 過去に国民年金に任意加入していなかった期間も年金の受け取りに必要な資格期間に含む事ができる期間を言います。期間は計算されますが年金額の算定には反映されません。具体的には次の様な場合で20歳以上60歳未満の期間です。 @昭和61年3月以前にサラリーマンの配偶者だった期間 A昭和61年3月以前に厚生年金等の障害年金受給者の配偶者であった期間 B平成3年3月以前に学生だった期間 C海外に住んでいた期間 D脱退手当金の支給対象となった期間 これらの資格期間を合算すると年金が受給できる可能性があります。 ■年金受給資格取得や増額をする 新たに保険料を納付して受給資格を得たり年金額を増額したりする事ができます。 @60歳以上の方の国民年金任意加入 希望する方は60歳から65歳までの5年間国民年金保険料を納めると65歳から 受け取る老齢基礎年金額が増えます。また、資格期間10年に満たない方は最長 70歳まで国民年金に任意加入ができます。 A過去5年間に納め忘れた国民年金保険料を納付できる後納制度は、申し込みにより 保険料を納める事ができます(平成30年9月まで)。 B専業主婦(主夫)の届出漏れの期間の届出 例えば会社員の夫が退職した時や妻の年収が増えて夫の健康保険の被扶養者を 外れた時には、国民年金の3号から1号被保険者に切り替えの届出をします。 届出を忘れていた時、過去に2年以上切り替えが遅れた方は記録が未納期間に なっています。その場合は「特定期間該当届」の手続をすることで最大10年までの 保険料を納める事ができます(平成30年3月まで)。
■読者を誤解に導く記事の定型文 新聞紙上を賑わせる「〇〇国税局は、△△会社の税務調査で、国内で計上すべき所得を海外子会社へ移転したとして、移転価格税制に基づき20××年×月期までの×年間に計約□□億円の申告漏れを指摘していたことが分かった」といった報道は、読者に△△が脱税会社という印象を与える典型的なミスリーディング記事です。理由は、この時点の事実として、脱税というよりも、税務調査での当局の見解が、課税の元となる所得(=儲け)がどちらの国に属するかにつき会社側と相違しているだけだからです。すなわち、△△社は、利益は海外子会社のものと認識し、一方の国税は日本の親会社のものとして、認識が違うだけなのです。 ■移転価格税制とは 企業が海外の関連企業との取引価格(移転価格)を通常の価格と異なる金額に設定すれば、一方の利益を他方に移転することが可能となります。 移転価格税制は、このような海外の関連企業との間の取引を通じた所得の海外移転を防止するため、海外の関連企業との取引が、通常の取引価格(独立企業間価格=第三者取引価格)で行われたものとみなして所得を計算し、課税する制度です。 わが国の独立企業間価格の算定方法は、OECD移転価格ガイドラインにおいて国際的に認められたいくつかの方法に沿ったものとなっています。 納税者と国税が対立した時は、異議申立による再調査→審査請求(もしくは直接審査請求)→裁判と進んでゆきます。または他国との相互協議を経る場合もあります。 ■武田薬品工業へ大阪国税局の再挑戦 2017年7月21日の日本経済新聞の朝刊で、大阪国税局が武田薬品工業に5年間で約71億円の申告漏れを指摘したという報道がされました。過去2006年に同じような申告漏れが指摘されましたが、結局、この課税漏れは取り消されています。 移転価格の算定方法も、2011年(平成23年)に、ベストメソッドルール(=その会社にとって最適な方法で価格を算定すること)に変わっています。その影響か、それ以外の要因もあったのかは不明ですが、大阪国税局は再挑戦してきました。 移転価格税制は、基本的には、国と国との税金の分捕り合いです。税収がマイナスとなり国税も必死になっているのでしょう。 |
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