トピックス一覧 DATE:2017.03.13 |
|||||||
■「法人成り」(会社設立)年分の確定申告 個人事業者の方が「法人成り」(会社設立)をした年分の確定申告は、通常年分と異なり、いろいろと厄介です。基本的には次のような所得を申告することになります。 @法人成り直前までの事業所得 A会社からの給与所得 B設立した法人に譲渡した資産の譲渡所得 Bで個人の不動産を法人に譲渡すると多額の譲渡所得が生ずる場合もあるため、不動産を個人名義とし、法人と個人との間で不動産賃貸契約を締結するケースも多くみられます。この場合、「法人成り」の年分から、「不動産所得」が生ずることになります。 また、会社から配当があれば「配当所得」が発生します。 ■個人事業廃止年分の届出・減額承認申請 所得の種類が増えるということに加えて、個人事業の廃止年分の届出や特殊な処理・手続きが生じます。 (手続1)個人事業廃止に伴う届出 事業を廃止した場合には、原則的には「個人事業の廃業届出書」を廃止の日から1月以内に納税地の所轄税務署長に提出することになります。「青色申告の取りやめ届出書」や「給与支払事務所等の廃止届出」等の提出も必要となります(青色申告の効力は廃止年分の翌年に失われます)。 (手続2)予定納税の減額承認申請 上記の廃業届出書の提出をしただけでは、前年の事業所得の金額に基づいた予定納税の通知が行われてしまいます。そのため、廃止時期にもよりますが、「減額承認申請」の手続きを行っておいた方がよいでしょう。 ■個人事業廃止年分の事業税の見込控除 個人事業者の皆さんは、個人事業税は、ご自身が申告した所得税の確定申告データが都道府県税事務所にわたり、賦課決定された通知額を納付していたと思います。 個人事業の廃止年度の事業税も同様に確定申告後に税額が通知されることになりますが、これでは個人事業の必要経費に算入することができません。そのため、廃止年度の事業税は通知を待たず、「見込額」を必要経費に算入することができます。この場合の事業税計算の事業主控除290万円は月数按分することになります。 また、確定申告書Bの第二表「住民税・事業税に関する事項」の「前年中の開(廃)業」欄の「廃業」を○で囲み、その月日を記入します。
公社債投資信託とは、証券投資信託の1つで、その信託財産を国債、地方債、社債など公社債(債券)に対する投資として運用し、株式、投資口、出資、優先出資等に対する投資として運用しない投資信託です。 そして、その大部分は、上場又は公募型の公社債投資信託です。 ■上場・公募公社債投資信託の譲渡 平成27年12月31日以前は、当該投資信託を譲渡した場合に生じた譲渡損益は、所得税及び住民税は非課税でした。 しかし、平成28年1月1日以後においては、当該譲渡損益は、上場株式等に係る譲渡所得等として課税の対象になりました。 ■上場・公募公社債投信の償還・解約 当該投資信託の終了や解約に際して、償還金、解約金が支払われます。 平成27年12月31日以前は、償還金又は解約金が当該投資信託の元本を超える場合、その超える部分の金額、すなわち償還差益又は解約差益は収益分配金となり、利子所得になっていました。 また、償還、解約の場合に生じた元本と取得価額の差額(差損・差益)については、株式投資信託の場合と異なり、差益は非課税、差損は生じなかったものとみなされていました。 しかし、平成28年1月1日以後においては、上場及び公募公社債投資信託の償還・解約があった場合には、当該金額の全部が上場株式等に係る譲渡所得等の収入金額とみなされることになりました。 これにより、昨年までのように、個別元本と取得価額の違いをことさら意識する必要はなくなりました。 ■損益通算及び繰越控除 もちろん、当該投資信託の譲渡による譲渡損、当該投資信託の終了に伴う償還損、解約に伴う解約損が生じた場合には、上場株式等の配当所得及び特定公社債等の利子等(配当等)との損益通算、さらには、一定の要件のもと繰越控除の適用もあります。 ちなみに、平成28年1月1日以後、上場・公募公社債投資信託は、証券会社等の特定口座内で管理されるようになり、その口座内での通算が可能となりました。 なお、平成28年1月1日以後は、上場・公募公社債投資信託の収益分配金は、上場株式等に係る配当所得等として申告分離課税の対象となりました。
■粗利益の絶対額を確保する方法は4つある 儲けの源泉である粗利益は、「売上−売上原価」で計算されます。一つ一つの粗利益の絶対額を積み上げたものがその会社(個人の場合は事業)の粗利益の総額です。 【粗利益の総額=1個の粗利益額×販売数量】 個々の要因に着目し粗利益を増やすには、@値上げによる粗利益の増加、A売上原価を下げることによる粗利益の増加、B販売数量の増加による粗利益の増加、C同じお客さんの購入頻度の増加による粗利益の増加が考えられます。もちろんこれらを組み合わせる場合もあります。 @値上げによる粗利益の増加 例:100円のものを110円で売る。 自社の商品に魅力があり、他社では買えないようなものを売っている場合、 値上げに躊躇する必要はありません。 もちろん値上げで離れてしまう顧客も一定数出てきます。 値上げで増える額と顧客減で減る額を比較して、粗利額が増えることを目指すのが 値上げ戦略です。 A売上原価を下げることによる粗利益増加 例:原価50円のものを45円にする。 販売金額を変えずに、販売回数も増やさずに、粗利益を増加させる方法です。 現状でギリギリまで原価を抑えている場合には、採用しづらい戦略です。 B販売数量の増加による粗利益の増加 例:月100個売れたものを110個に増やす。 新規の顧客を開拓するため折り込みチラシを撒く範囲を拡大したり、店舗販売だけ だったものに通販ルートを設けたり、飲食店であればレイアウトを変えて座れる テーブルや椅子の数を増やすことなどが考えられます。ただし、これも追加で 費用が発生しますので、それとの比較でどういった戦略を採用するかが変わって きます。 C同じ顧客の購入頻度の増加による売上増 例:月に1回の購入を25日に1回にする。 顧客の囲い込み戦略です。 顧客をファンにするために、顧客にとってメリットのあることを考えます。 ポイント制度やかかりつけ薬局などが一例です。 ■PDCAの数字による検証が必要です 粗利益の増加も、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、継続的に改善して行きます。数字の検証が必須です。会計事務所にもサポートしてもらえば力強いでしょう。 |
|||||||
トピックス一覧 | |||||||
PREV: 2017.03.06 ・自主服薬推進のためのスイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)の創設・特定口座(源泉徴収あり) 年間取引報告書の記載内容 |